伊藤英人の狩猟本の世界

170.『熊彫』上原敏編集、エルビスプレス、2017年


170.『熊彫』上原敏編集、エルビスプレス、2017年

北海道八雲町にて木彫りの熊を特産品としてブランド化し、北海道みやげに定着させた徳川義親氏の話と、活躍した作家、その作品。木彫り熊は冬の空き時間を利用した作業で、貴重な換金資源をもたらした。

付録の「八雲木彫熊の作り方」は、木彫りを習う人のための教科書で、熊の骨格を意識しており、毛の流れまで再現している。熊の身近さ、観察力がしのばれる。最近はゆるキャラやCG動物の不自然な動きが気になってしまい、実物との乖離を感じてしまうため、実物を見てほしいと思っていたところである。

とある作家の、「木彫りの行きつくところは塊になると思います」ということば、深すぎてよくわからない。

170.『熊彫』上原敏編集、エルビスプレス、2017年