伊藤英人の狩猟本の世界

219.『本の革の話』小林栄一郎著、小林栄商事、1969年

本の装丁に使われる皮革の話が、現場目線で書かれている。著者が物書きではないため読みづらいところもあるものの、専門性ある記述には一読の価値がある。プロのものづくり精神に敬意を表したい。

装丁に最適なのはヤギ革だが、安価なためにヒツジ革が多く使われている。インドのヤギ革は北方産より南方産が良質。

インド・ヨーロッパの皮革関係会社を回るツアーの記録があるが、旅行先の著者の写真は不要に感じた(自費製本は自由でいい)。人皮装丁の話が秘話として紹介されているが、本書中に4回くらい出てきた。

本書とその装丁(ヤギ革)自体が、ツウ好みの広告となっている。ヤギ革とヒツジ革の染革見本もついている。

219.『本の革の話』小林栄一郎著、小林栄商事、1969年

219.『本の革の話』小林栄一郎著、小林栄商事、1969年