伊藤英人の狩猟本の世界

227.『調理科学 肉の事典』朝日新聞出版編著、朝日新聞出版、2019年

227.『調理科学 肉の事典』朝日新聞出版編著、朝日新聞出版、2019年

肉の調理を科学的に説明し、おいしい焼き方や調理法を論理的に指南する、とても勉強になるレシピ本。デザインや写真にもこだわりがみられ、失敗例も豊富で、わかりやすい。

私には、ステーキの厚さによる焼き方の違い、アロゼの効果、内部温度の重要性、余熱で火を通す方法が衝撃的であった。おいしさに根拠がある。本書をマスターすれば一般の家庭料理のレベルを軽く超える。

内部温度の確認には、慣れるまで温度計を使いたい。そういえば外国に内部温度をワイヤレスで知れるアプリがあるらしい。ほしい。

畜肉中心で狩猟肉の話は少なく、シカとイノシシは2ページずつ。本編が充実しているので、狩猟肉編はなくてもよかった。シカ料理についてはエゾシカ協会ウェブサイト(青山則靖「料理の理」、YouTube「青ちゃんのエゾシカ料理講座」)が詳しい。本書で肉料理の基礎をおさえて、エゾシカ協会YouTubeでステーキ・ロースト・青椒鹿肉絲に挑戦だ!


青山則靖「料理の理」

YouTube「青ちゃんのエゾシカ料理講座」