伊藤英人の狩猟本の世界
195.『毛皮獣図説』寿振黄著、科学出版社、1958年
中国の毛皮獣というか哺乳類図鑑。中国の本で、すべて中国語だが、中国語を一切学んでいない私にもだいたい意味がわかる。挿絵はたまに怪しいのがあるが学名がついているため、何の種の解説か確実にわかる。各種について、外部形態・生活習性・地理分布・経済価値が載る。経済価値の欄に用途や毛の質などがあり、おもしろい。レッサーパンダ(小猫熊)やジャイアントパンダ(大熊猫)は中国ならでは。大熊猫は我が国の珍貴的特産動物とされ、残念ながら経済価値は触れていない。イタチ科(クズリ、マダライタチほか)・ネコ科(トラ、ヒョウほか)はとくに日本より豊富。
ニホンジカ(梅花鹿)の経済価値は「極大」だそうである。鹿茸、肉、毛皮の需要があり、好んで狩猟されるため、場所によっては減少しており、禁猟や人工繁殖といった対策がとられている(と中国語で書いてある)。
中国名もおもしろい。ハクビシンは猫ではなく花面狸。ニホンジカの中国名は「梅花鹿」でキレイだが、アカシカは「馬鹿」。
この本、もしかして貴重?