「エゾシカ革」竹之内一昭（日本皮革技術協会）
エゾシカはホンシュウジカやキュウシュウジカに比べ大型であり、その皮も大きい。エゾシカ皮の表面には大小の毛穴が多数あり、大きい毛穴は上毛（保護毛）に、小さい穴は下毛にそれぞれ相当する。これらの毛穴は皮表面積の約半分を占める。毛穴は背筋に直角に配列している。1 個の大きな毛穴にだいたい5 個の小さな穴が頭部側に存在する。毛穴間の表面は比較的均質な波状紋を呈している。拡大図では、この波状紋が細線維束によることがわかる。
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「鹿革について」竹之内一昭
鹿革はとても柔らかくて丈夫な革である。鹿革の代名詞ともなっているセーム革（別名シャモア革）は鹿や羊のような小動物の皮の銀面（革の表面）を削り取って油（主に鱈肝油）で鞣（なめ）して造った革である。この「セーム」という語は「柔らかい」という意味であり、「シャモア」は「カモシカ」のことである。セーム革は吸水性が良く、さらに親油性もあるので、自動車やレンズ、貴金属類の汚れ落としに使用されている。
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札幌市内の4人の皮革マイスターによるエゾシカ革製品展（2010年10月16日～24日）