一般社団法人エゾシカ協会

北海道庁が「エゾシカ有効活用のガイドライン」と「エゾシカ衛生処理マニュアル」を策定


2006年10月28日

 北海道庁は10月28日までに、「エゾシカ有効活用のガイドライン」と「エゾシカ衛生処理マニュアル」を策定・公表しました。

 従来から、「エゾシカを本道の特産物として位置付け、肉資源として活用するためには、科学的調査に基づいて捕獲するとともに、食肉として衛生的に取り扱うことが必須条件」(同マニュアル本文から)とされてきたエゾシカ肉でしたが、「エゾシカは野生動物であり、家畜と違って「と畜場法」の対象とはなっていないため、捕獲から解体に至るまでの衛生的な処理の方法について具体的な基準が定められていません」でした。 「食品としての付加価値を高めるためには、自主的な衛生管理体制を作り、衛生マニュアルに基づくきめ細かな衛生管理を行う必要があり」「 本マニュアルは、エゾシカが衛生的に処理され、より安全・安心な食肉として流通することを目的として、作成」されました。

 マニュアルには、シカ(捕獲個体、飼育個体)の受け入れ基準から解体、製品化にいたる各段階で守るべき基準が細かく記され、マニュアルを遵守する処理場から出荷される製品を、消費者は安心して食べることができるようになりました。

 社団法人エゾシカ協会はかねて公的な衛生マニュアルの必要性を訴え続けており、今回の北海道マニュアルの策定作業にも協力させていただきました。


籠田勝基さん 「衛生マニュアルが実現するエゾシカ肉の有効活用」

籠田勝基さん 「良い肉を得るために必要なこと」

鈴木正嗣さん「シカ類の関連する人獣共通感染症」


 いっぽう、「有効活用のガイドライン」は、次のような基本方針をかかげています。

(1)本道の貴重な自然資源の一つとしてエゾシカを捉え「ワイルドライフ・マネージメント(野生動物保護管理)」の観点から、有効活用を推進する。
(2)「エゾシカ保護管理計画」に基づく個体数調整を進めていくため、エゾシカ狩猟への経済的なインセンティブ(動機付け)を賦与する方策として有効活用対策を進める
(3)I U C N (国際自然保護連合)では、野生動物の保護管理を進める上で「野生動物の活用は生物多様性の保全に貢献する」との考え方を示しており、自然資源である野生動物の活用方法として有効活用を推進する。

衛生マニュアル 有効活用ガイドライン