一般社団法人エゾシカ協会

エゾシカは何処で捕れるのか?


 道内のハンターさんはエゾシカ猟で忙しい季節がやってきました。道庁にはハンターはほとんどいませんが、支庁の自然環境担当の道職員も週末は狩猟パトロールで忙しい季節です。狩猟パトロールでは、本当に様々なハンターさんに出会います。

「おい、シカが見えないぞ! いったい何処にエゾシカが14万頭もいるってんだぁ!」

 捕れてないハンターさんの中には、時々、このようにイライラしている方がいますが、荷台に獲物を乗せているハンターさんは、必ず上機嫌で自慢話を聞かせてくれます。本当にエゾシカはまだまだ捕りきれないくらい生息しています。ハンターさん、がんばってくださいね。

 さて、捕るためには、まず獲物との出会いが必要です。エゾシカは何処にいるのでしょう?
下の図は、2001(平成13)年度の狩猟によるエゾシカ捕獲頭数を10km四方の区画ごとに月別に集計し、捕獲が多い区画は濃く、捕獲が少ない区画は薄く色分けして表したものです。

捕獲地図

 これを見ると、解禁当初の11月は広範囲に捕獲があり、12~1月と季節が進むにつれて捕獲される場所が限られてくることが分かります。11月はまだ積雪がなく、エゾシカは牧草地などの平地にも分布していますが、12月になると牧草は枯れ、雪積量も多くなるため、エゾシカは他の餌のある場所へ移動しなければなりません。そのため、大多数のエゾシカが越冬地と呼ばれる針葉樹の混ざった積雪の少ない森林へ移動を始めるのです。

 このようにエゾシカは、夏は分散し冬は集合するという季節移動を繰り返す動物であることが、研究者の調査やハンターさんからの情報提供により明らかになっています。

 なお、この情報は今年のハンターマップ別冊編に載せ、ハンターさんには既に配布していますが、ハンターのあなた、ちゃんとご覧になりました?

(道庁自然環境課 宮津直倫)

エゾシカ協会ニューズレター14号(2003年11月10日発行)より