一般社団法人エゾシカ協会

シカ肉衛生処理現地ワークショップを足寄で開催


(報告 エゾシカ協会事務局 籠田勝基)

 エゾシカ有効利用に関するワーキンググループの取り組みの一環として、去る9月13、14の2日間、足寄町のご協力を得て、エゾシカの適切な前処理の現地検討会が開催され、当協会を代表して参加しましたので紹介します。
 当協会では、有効利用を前提とした捕獲“クリーンキル”を普及するために「ハンテングマニュアル」を策定して昨年配布いたしましたが、エゾシカを食肉として利用流通させるにあたって、衛生管理上最も問題となる点は、捕獲したエゾシカの現場での内臓摘出の問題です。食肉としての品質を確保するためには、捕獲後直ちに内臓摘出と放血を行うことが必須状件となっているため、野外での屠体の汚染および内臓摘出の手技の巧拙が問題になるわけです。この点が解決されないと、消費者の信頼も得られないと思われます.

 現地検討会への参加者は、エゾシカ対策係宮津係長、食品衛生係佐々木専門員、エゾシカ協会籠田事務局員、十勝支庁環境生活課水野主任、同高橋主査、帯広保健所新美専門員の6名で、足寄町役場の石山係長以下係員の皆さんと、地元ハンターの方々の全面的な協力の下に実施いたしました.

 残念ながらシカの出現が無く捕獲することは出来ませんでしたが、別のハンターにより処理場に持ち込まれたシカがあり、剥皮から肉の分割作業を見学することが出来ました.数名のハンターから野外での内臓摘出の方法についての話を聞くこともでき、イメージとしては理解されたと思われますが、やはり実際の現場を体験することが必要であるとの、佐々木専門員のご意見もあり、養鹿場から鹿を入手するなどして、食肉検査の専門家と現場のハンターおよび処理場職員が意見交換を行う検討会を是非持つ必要があるものと考えています。

 当協会では、屋外での適切な内臓摘出の方法について更に検討を進め、「ハンテングマニュアル」に掲載するなどして多くのハンターに広めていきたいと考えています。また、これに続いてエゾシカ処理場における解体処理を衛生的に行うための「エゾシカ肉の衛生管理マニュアル」の作成・公開を準備中です。

エゾシカ協会ニュースレター No.8(2001年10月1日発行)より